海上保安庁によると、小笠原諸島の西之島は先月実施した2度の観測の際に噴火が確認されず、溶岩流も止まっていることから、専門家は「マグマの供給が停止した可能性がある」と指摘している。

先月11日と24日、上空から観測を行った海上保安庁によると、西之島では火砕丘中央の噴火口から白い噴気がたなびいていたが、噴火は発生せず、溶岩流の先端の熱も下がっていたことから、溶岩流の海への流入が止まった可能性が高いという。

24日に観測に同行した東京工業大学火山流体研究センターの野上健治教授は、「4月の噴火再開によるマグマの供給は停止し、わずかな熱源を残すのみになったと考えられる」と指摘したうえで、「マグマの通り道は残っているので、再び上昇し始めた場合は、短時間で噴火するおそれがある」と述べて引き続き警戒の必要性を訴えた。

国土地理院が今年6月に完成させた最新の西之島の地図に比べて、溶岩流が島の西側と南西側の2カ所で300メートル以上にわたり海に張り出した影響で、西之島の面積はちょうど3平方キロメートルに成長。東京ディズニーランドとディズニーシーを合わせたディズニーリゾートがすっぽりおさまって余りある大きさだ。

■国内の火山の現状については、ハザードラボ「火山マップ」をご覧ください。
http://www.hazardlab.jp/?map=volcano

火口からはわずかに噴煙が立ち上るだけ(海上保安庁)
http://www.hazardlab.jp/contents/post_info/2/1/8/21810/nishinoshima0824001.png
南と南西側に溶岩流が張り出して面積が拡大(提供:海上保安庁)
http://www.hazardlab.jp/contents/post_info/2/1/8/21810/nishinoshima0824002.png