https://www.cnn.co.jp/m/world/35107015.html

イエメン・サヌア(CNN) 内戦が続くイエメンの首都サヌアで、サウジアラビア率いる有志連合の空爆に遭って負傷したという5歳の女の子の映像が公開され、イエメンの窮状が改めて国際社会の脚光を浴びている。

イエメンを制圧した反政府武装組織フーシによると、5歳のブサイナちゃんが住んでいた自宅アパートは8月25日の空爆で破壊され、ブサイナちゃんを除く一家全員が死亡した。この空爆の死者は、ブサイナちゃんの両親や兄弟を含めて16人に上ったという。

がれきの中から助け出されたブサイナちゃんは、顔にできた大きなあざのために両目がふさがっていた。


病院に運ばれたブサイナちゃんは、地元メディアの取材を受け、その際に指でまぶたを押し上げて相手を見つめようとした仕草が、イエメンの窮状を伝えるシンボルになった。

「これが3年近くに及ぶイエメンの内戦終結につながることを願う。罪のない子どもたちが何千人も殺された」。ブサイナちゃんの面倒を見るおじはそう語る。

医師によると、ブサイナちゃんは頭蓋骨を骨折して全身にあざがあり、いつ退院できるかは分からない。家族が死亡したことはまだ知らせていないという。

イエメンではサウジ率いる有志連合がフーシを狙った空爆を続ける中で、人道危機が深刻化している。ユニセフによると、下痢や呼吸疾患、栄養失調などの予防できる疾患が原因で、10分ごとに1人の子どもが死亡しているという。

国連によると、ブサイナちゃんの家族が死亡した週は、1週間に推定58人の民間人が空爆の犠牲になった。この中には、サウジ率いる有志連合の爆撃によって死亡した42人が含まれる。

国営サウジ通信によると、サウジアラビアは「技術ミス」によって空爆で死者が出たことを認め、故意はなかったと強調している。

2017.09.08 Fri posted at 17:03 JST

ふさがったまぶたを指で押し上げるブサニアちゃん
http://m.hindustantimes.com/rf/image_size_320x180/HT/p2/2017/08/31/Pictures/_ab310ad6-8e39-11e7-a11b-07a9009e9c44.jpg
きょうだいそろって撮った最後の写真。ブサイナちゃん(右端)以外は空爆で死亡した
https://www.cnn.co.jp/storage/2017/09/08/d9a039c892422c257d2bc764df76ad37/t/320/180/d/yemen-survivor-exlarge-169.jpg