大阪大と国内トップの綿棒メーカー「山洋」(大阪府富田林市)が、世界で最も細い直径3ミリの手術用綿棒を共同開発したと発表した。

これまでは海外製の5ミリが細さの限界とされていたが、メーカーの独自技術でさらに2ミリ細くできたという。15日から医療関係者向けに販売する。

 手術用の綿棒は、体に開けた小さな穴から細長い器具を挿入して行う「腹腔ふくくう鏡手術」の際に、臓器や血管を動かしたり持ち上げたりするために使われる。5ミリの綿棒では、手術後に穴を縫い合わせていたが、3ミリの綿棒では穴にテープを貼るだけで済み、患者の負担も軽くなるという。

 従来品は、綿の糸を軸に巻いていたため厚みが出ていたが、糸をパウダー状にして軸に吹き付ける手法を採用。細さに加え、耐久性も実現した。共同開発した中島清一・阪大特任教授は「医師とものづくり職人の熱い思いが結実した」と話している。

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