東京電力福島第一原発の事故で放射線量が高くなった帰還困難区域。復興から取り残されてきたが、政府は15日、同原発が立地する福島県双葉町の一部を「特定復興再生拠点」と認定した。5年後に人が暮らせるようにする。ただ、町の荒廃は激しく、計画通り住民が戻るかは確証がない。

 今回認定された復興拠点の面積は約560ヘクタール。町域の96%が帰還困難区域にされた双葉町の約1割だが、原発事故前に7千人いた町民の7割が暮らしていた中心部だ。JR双葉駅を中心に南北を走る線路の東側には家々や商店、神社などの古い街並みが、西側には新興の住宅地が広がっていた。

 認定に伴い、政府は除染を本格化させ、震災で傾いたままの建物の解体、整地を始める。2019年度末にはJR双葉駅周辺の避難指示を先行解除し、22年春に拠点内すべてを解除する。その5年後には、帰還する住民や町外の原発作業員ら計2千人が暮らす町をめざす。

 復興庁によると、双葉町に続き、帰還困難区域を抱える大熊町や浪江町なども今年度内に、拠点の申請を国に出す予定だ。

 帰還困難区域は原発事故直後に…

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