処方薬社員に不正販売 名古屋の薬局運営会社、診察せず
2017年9月16日 13時50分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017091690135039.html

 「なの花薬局」などの薬局を運営する「シー・アール・メディカル」(名古屋市中区)の元取締役男性が、社員から注文を取った医療用医薬品を、知人の病院で診療を受けないまま処方箋を作成してもらい、健康保険の自己負担分の3割の価格で販売していたことが、親会社の医薬品流通支援会社「メディカルシステムネットワーク」(札幌市)への取材で分かった。
 メディカルシステムネットワークによると、元取締役男性は昨年2月以降、社員に薬の注文を取り、自身が患者として通っていた三重県鈴鹿市の病院に社員やその家族計13人分の保険証コピーを提出。医師に処方箋を依頼し、診察したように装って計80枚を作成してもらった。その後、シー・アール・メディカルが運営する薬局で、風邪薬や保湿剤などを出していたという。シー・アール・メディカルは調剤報酬計約36万円の保険請求を取り下げる方針だ。
 健康保険制度を悪用した形。外部から指摘があり、社内の調査で、不正が判明した。男性は取締役を退いた。男性は「病院に行く時間がない社員を気遣い、親しい医師に甘えてしまった。非常に軽率で強く反省している」と話したという。
 シー・アール・メディカルは、愛知県など6県で「なの花薬局」など約50店舗を運営している。ネットワーク社は「調剤薬局の信頼を揺るがしかねない行為であり、深くおわびする」とコメントした。