【熊谷6人殺害】「カレンダー、2015年9月のまま」 妻子3人の命奪われた男性が記者会見 埼玉県熊谷市
産經新聞:2017.9.16 22:14更新
http://www.sankei.com/affairs/news/170916/afr1709160030-n1.html

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妻と娘2人を殺害された男性が記者会見に応える=16日、埼玉県熊谷市問屋町(飯嶋彩希撮影)

 埼玉県熊谷市でペルー人に男女6人が殺害された事件から2年。
妻と小学生の娘2人の命を奪われた男性(44)が16日、同市内で開いた記者会見での主なやり取りは以下の通り。



 −−事件から今日で2年だが、いまのお気持ちは

 「まだ裁判も終わっていない。気持ち的にはこの2年間何も変わっていない。家族を失った悲しみでなかなか立ち直れない。まだその悲しみが続いている」

 −−今日は三回忌だが、ご家族3人にはどんな言葉を

 「3人仲良く、私のことを見守ってくれているのかなという気がしました。この2年、本当に時間の感覚がない」

 −−今日になって改めてどんな気持ちか

 「私一人になって、家族の大切さが分かった。ただただ、悲しみしかない」

 −−今の仕事は

 「月に数回だが、行けるようになった。少しずつ自分のことをやらないといけないと思っている。ここ数カ月だが、気持ちは前へ進んでいる。社会復帰もあるし、なかなか自宅に帰れなかったが、今は普通に生活している」

 −−自分のことをしっかりとやらなければいけないと思った理由は

 「特にないが、前向きに家族のために生きていかないといけないと数カ月前に思った」

 −−公判が始まっていないことの受け止めは

 「もうちょっと早く公判を始めてもらいたい。あまりにも長いので不満がある」

 −−事件当初から、被告の男へのイメージに変化は

 「変わっていない。怒りと憎しみ。何も変わっていない」

 −−本当なら中学生になっていた美咲ちゃんに対してどんな気持ちか

 「卒業式にも出席させてもらった。4月になって、美咲が中学生になる姿を想像する日がある。親として見たかったというのが本音」

 −−卒業証書はなぜもらいたかったのか

 「形として美咲の生きた時間を残したかった」

 −−名前が入った証書をもらった気持ちは

 「まわりの同級生たちが卒業するなか、うちの娘がいないことにすごい悲しみがあった。式では精神的につらくて、前を向けず、ずっと下を向いていた」

 −−どういうときに家族を感じるか

 「まわりの家族をみると、どうしてもうらやましく感じてしまう」

 −−今は自宅で過ごしているのか

 「2階の4人で寝ていた寝室に寝泊まりしている。遺品は整理したが、カレンダーは2015年の9月のカレンダーだったり、ある程度はそのまま。先月末からは自宅に住んでいるような状態」

 −−被告の家族などから謝罪の連絡は

 「連絡はない。謝罪をしたいなどの話しもない。謝らないことに対しいらだちがある」

 −−先日の(群馬県大泉町の)ベトナム人逃走事件は周知して逮捕にいたったが

 「なぜ私の時は周知してくれなかったのかと疑問に感じる。県警に対し怒りは正直ある。当時、捜査1課長が『捜査に夢中で忘れていた』と言った。あくまで言い訳に過ぎない」

 −−公判が長引くことに対しての疑問は

 「なぜそこまで進まないのか本当に教えてもらいたい。丸2年たってなんでやらないのか。一刻も早く進めてほしい」