「半グレ」と呼ばれる暴力団に所属しない不良グループが、大阪・ミナミでみかじめ料を要求している疑いがあるとして、
大阪府警は19日、大規模な実態調査に乗り出した。

3日間で約4500の飲食店などを対象に、反社会的な集団から金銭の要求がないかアンケート。
半グレは指定暴力団の不当要求を禁止する暴力団対策法の規制を受けないため、
暴力団が利用しているとみて、府警は取り締まりを強化する。

半グレは「半分グレている」「グレーゾーン」などの意味があるとされ、
メンバーが関わったとされる事件やトラブルがミナミで相次いでいる。

8月には大阪市中央区東心斎橋2のバー周辺で、バー関係者ら約20人が乱闘になる事件が発生。
半グレとみられるメンバーも含まれており、府警は、みかじめ料を巡るトラブルがあったとみている。

また、昨年7月に同区で口論となった男性を殴ったとして、
府警は今月11日、格闘技団体「強者(つわもの)」(解散)の元メンバーらで構成する半グレ集団のリーダー格、
相良正幸容疑者(33)を傷害の疑いで逮捕。
19日午前には、事件の関連先として、神戸山口組傘下組織の事務所を家宅捜索した。
捜査関係者によると、この傘下組織は半グレを使ってみかじめ料を集めていた可能性があるという。

今回の調査は、暴力団の実態調査と共に実施。みかじめ料の金額や支払い方法などについて尋ねる。
19日は、府警南署員らが、「暴力団や半グレなどから不当な要求を受けていませんか」と書かれたチラシを手に中央区の飲食店などを訪ねた。

 こうした動きに、地元からは歓迎の声が上がる。
すし店の30代の男性店長は「不当要求は受けたことはない」とした上で、
「みかじめ料を許せば、治安の悪化につながる。警察が地域安全の対策をしてくれるのはありがたい」と話した。

 捜査関係者によると、府内で活動する半グレは複数のグループが確認されているが、メンバーや人数などは把握しきれていない。
府警幹部は「暴力団が表立ってみかじめ料などを要求できない代わりに、
半グレを隠れみのにしているのではないか。実態解明を急ぎたい」と話している。

警察庁は2013年3月、暴走族「関東連合」(解散)のOBなど半グレグループを念頭に「準暴力団」として情報収集と
取り締まりを強化するよう全国の警察に通達。府警によると、大阪では準暴力団に認定しているグループはないという。

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