大阪桐蔭中学・高校(大阪府大東市)の5億円超に上る裏金問題で、運営する学校法人大阪産業大が元校長(76)と元事務長(76)に計約2億5千万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が21日、大阪地裁(中川博文裁判長)で開かれ、元校長らはいずれも請求棄却を求めた。

 訴状によると、元校長は別の元事務長(死亡)に指示し、保護者から集めた副教材費や実習費を簿外管理するなどして、平成16〜25年の間に少なくとも1億1270万円を不正に流用。訴訟相手の元事務長は経理責任者として監視、調査する義務を怠ったと主張し、問題の発覚による補助金の減額分などと併せて支払うよう求めている。

 26年11月、同校で模擬試験の受験料や教材費の剰余金を裏口座にプールし、不正流用した疑惑が発覚。業務上横領などの疑いで告訴、告発された元校長ら4人については、大阪地検特捜部が28年4月にいずれも不起訴処分とした。

 問題を調査した第三者委員会は報告書で裏金は5億円を超えるとしたが、法人によると、訴訟では不正流用が明白な客観的証拠がある分のみを請求の対象にしたという。

http://www.sankei.com/smp/west/news/170921/wst1709210053-s1.html