横浜国立大学の教授が、硬くて平らな素材を丸みのある構造物に組み立てる技術を考案し、その実用例の第1弾として、本革製のドーナツ形バッグを製作した。

 技術を考案したのは、同大大学院工学研究院の前川卓教授(63)。大きさの異なる平面素材を組み合わせて自在に曲面的な形にする手法を考案し、昨年、論文で発表した。今年から実用化に向け、製品が皇室にも愛用される横浜市・元町のバッグ製造販売「キタムラ」と共同でバッグ製作を開始。細工しづらい本革を、全体が丸みのある珍しいハンドバッグに仕上げた。大きさは直径約30センチで、白と青の本革を組み合わせ、港町・横浜をイメージした。

 持ち手も収容スペースも全て曲面という仕上がりに、キタムラの担当者も「全て曲面なのは初めて」と感嘆する。この手法を用いれば、どの方向からの力にも強く、壊れにくい構造物に仕上がるという。バッグの市販の予定はない。

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