0001みつを ★
2017/09/23(土) 21:27:22.52ID:CAP_USER9(CNN) 日本の「スペース・スイーパーズ」の任務は宇宙の掃除だ。
欧州宇宙機関(ESA)の推計によると、地球軌道上を周回している宇宙ごみは現在1億7000万個。使われなくなった衛星などの人工物が秒速8キロで大気圏外を回っている。これは弾丸の10倍の速度だ。
ごみの塊の一部はトラックほどの大きさに達する一方、1セント硬貨より小さなものもある。ただ、最も小さな宇宙ごみでも他の衛星や宇宙船に対する大きな脅威となっている。
ESAの宇宙ごみ部門トップによれば、軌道速度の1センチの宇宙ごみと衝突した場合、手りゅう弾の爆発と同等のエネルギーが発生するという。こうした事故が起きると破片が宇宙に散乱し、さらなる事故を招くリスクが増大する。
シンガポールに拠点を置く衛星サービス企業、アストロスケールは「スペース・スイーパーズ」と呼ばれる専門家チームを採用。宇宙ごみを大気圏内に引っ張り込み、再突入の際に燃え尽きさせて破壊するために鍵となる技術を開発している。
アストロスケールの伊藤美樹氏は「製造から発射成功に至るまで、極めてやりがいのあるミッションだ」と話す。
同社は現在、東京の開発拠点で2種類の衛星を開発している。
ひとつ目は、1ミリ以下の宇宙ごみに関するデータをリアルタイムで収集する微小衛星。収集したデータは宇宙ごみの最新分布図を作るため使用される見通しだ。
もうひとつは「ELSA」と呼ばれる衛星で、使われなくなった宇宙船を捕獲し除去する。
ELSAは現時点では開発段階だが、衛星を捕獲する方法として磁石などを用いる計画だ。宇宙ごみを捕獲した場合、ELSAはこれを大気圏に突入させて一緒に燃え尽きることになる。
ELSAのデモンストレーション実施は2019年10月を予定している。
米航空宇宙局(NASA)とESAは長年、使われなくなった物体に接近してこれを捕獲し、安全に軌道から外す技術を研究してきた。捕獲技術には網やロボットアーム、銛(もり)などが提案されている。
日本人2人目の女性宇宙飛行士、山崎直子氏は2010年に国際宇宙ステーション(ISS)に向かった際、宇宙ごみのリスクをじかに経験した。
同氏は「任務中にスペースシャトルの窓に小さな亀裂が入っているのを発見した」「大気圏再突入の際に問題にならないか確かめてもらうため、写真を撮って管制室に送った」と話す。
幸い亀裂は1インチ(約2.5センチ)以下で危険性はなかったが、より大きな宇宙ごみであれば壊滅的な被害をもたらす恐れもあった。このような事態を避けるため、ISSはわずかに自身の軌道をずらして他の物体との衝突の可能性を回避する「ゴミ回避機動」の機能が備わる。
こうした対応が可能なのは、物体の大きさが10センチ以上で地球上から探知できる場合のみだ。回避する時間がないときは、乗組員は宇宙船ソユーズに逃げる対応をとる。
宇宙ごみは有人宇宙飛行だけでなく、我々の日常生活に関わる衛星にとっても脅威になっている。
山崎氏の説明によれば、こうした衛星は気象予測や通信、GPS(全地球測位システム)といった欠かせない役割を担っているという。
アストロスケールでは、大規模な衛星網を運用する会社に衛星除去サービスを売り込む計画だ。
伊藤氏は「弊社はこれまで実証されてこなかった技術を、ごく短期間で試している」と指摘。「宇宙空間をきれいにするための取り組みに貢献しようとしなければ、我々の生活にとっての脅威となりかねない」と話す。
2017.09.23 Sat posted at 11:33 JST
https://www.cnn.co.jp/storage/2017/07/26/4c6207b9bee83ca53171aaea9e29a058/t/320/180/d/vision-the-future-of-japan-space-sweepers-05.jpg
宇宙ごみの除去に向けて、さまざまな方法が提案されている
https://www.cnn.co.jp/storage/2017/07/26/f02ccde36f81fef9130285805e749586/t/320/180/d/vision-the-future-of-japan-space-sweepers-01.jpg