強制わいせつの被告に逆転無罪…「被害に疑義」
2017年09月27日 08時48分

強制わいせつ罪に問われた男性被告(71)の控訴審で、福岡高裁が懲役2年6月、
執行猶予3年(求刑・懲役2年6月)とした1審・福岡地裁判決を破棄し、
逆転無罪判決を言い渡していたことがわかった。

岡田信裁判長は「被害者の供述を信用するには合理的な疑いが残る」とした。判決は今月13日付。

福岡県内のマンション管理人だった被告は2015年9月、マンション1階の管理室で
当時8歳の女児にわいせつな行為をしたとして逮捕、起訴された。
捜査段階から一貫して否認し、半年間勾留されていた。

今年1月の1審判決は、被告と女児の父親の間でトラブルがあったことを認めた上で、
「女児が被告を窮地に立たせようと、虚偽の被害を申告したとは考えられない。
女児の供述は、被害を受けたという限度で十分に信用できる」と認定。有罪判決を言い渡した。

被告は控訴。今月13日の判決で岡田裁判長は、被害があったとされる時間の直後に
女児が被告にじゃれつく様子が防犯カメラに残っていたことなどを挙げ、
「このような行動は、女児が嫌悪感を覚える被害に遭ったことに疑義を抱かせる」と指摘。
女児の供述について、「親の注意に反して管理室へ出入りしたことに後ろめたさを感じ、
誇張したことも考えられる」として、信用性を否定した。

弁護人の藤原航弁護士(大阪弁護士会)は「防犯カメラ映像は事件に近接しているのに、
1審では重要視されなかった。控訴審では証拠との矛盾を適切に判断してもらえた」と話した。

YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170927-OYT1T50024.html