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2日は多くの企業で来年春に卒業する大学生などの内定式が行われます。先月1日時点での就職内定率は88%余りと去年の同じ時期を1.8ポイント上回り、学生に有利な “売り手市場” が続いています。
経団連の指針では、来年春に卒業する大学生などへの内定が1日に解禁され、週明けの2日、多くの企業で内定式が行われます。

人材サービス大手のリクルートキャリアが来年春に卒業する予定の大学生およそ1400人を対象に行った調査では、先月1日の時点で、就職希望者のうち内定を得たと回答した学生は88.4%でした。
これは去年の同じ時期を1.8ポイント上回り、学生に有利な “売り手市場” が続いていることを示しています。
複数の企業から内定を得た学生の割合は66.2%に上っていて、内定を得た会社の数は平均で2.47社でした。

調査を行った会社は「売り手市場は一過性ではなく、ここ数年続いており、企業側が採用への危機感が強いことを示している。労働人口が減少していくことが見えている中で、企業にとって若者の確保が大きな課題になっている」と話しています。
売り手市場で半数以上が辞退の会社も
売り手市場の就職活動が続く中、学生の内定辞退が相次ぎ、想定どおりの数の学生を採用できない企業も増えています。

福島県会津若松市に本社があり、400人の正社員を抱える中堅のスーパー「リオン・ドール」は、来年春に入社する新卒の大学生を30人採用する計画でした。
ことしの春には30人に内定を出しましたが、その後、ほかの企業に入社するとして辞退が相次ぎ、10月3日の内定式に参加する学生は半数以下になったということです。
そのため、内定式を直前に控えた今も採用活動を続けていますが、多くの大学生がすでに内定を持っているため、面接にはあまり学生が集まらず、難航しているということです。

リオン・ドールの人材教育部の能渡愛マネージャーは「内定を辞退する学生の数は年々増えていて、厳しいです。今後はもっと厳しくなることも考えられるので、内定を出したあとの学生へのフォローのしかたなど、採用方法の見直しも考えていかなければならない」と話していました。

企業が学生に積極アプローチ

東京の人材紹介会社は、採用難の企業が多い地方での営業を強化しています。

東京に本社がある人材紹介会社「グローアップ」は、学生の応募を待つのではなく、企業からアプローチする「スカウト型」の採用のサービスを展開し、この夏から福島県での営業に乗り出しました。

このサービスでは、就職活動中の大学生が経歴や自己PR、ほかの企業の採用試験の状況などを書き込み、それを企業の人事担当者がチェックして採用したいと思う学生にアプローチします。
会社によりますと、ライバル社の最終面接まで進んだことなど、さまざまな情報を書き込めるようになっていることをプラスにとらえる企業が多いということです。

このサービスは、首都圏ではおよそ6万人の大学生が利用していますが、地方ではまだ広がっておらず、この会社では地方での営業を強化しています。

グローアップ新卒紹介事業部の松山朋子マネージャーは「学生にあまり知られていない地方の中小企業こそメリットがあるサービスで、今後、地方で積極的に展開していきたい」と話しています。
(リンク先に続きあり)

10月2日 6時03分