東京の五反田と蒲田を結ぶ東急池上線が開通90周年を迎えたのに合わせ、東急電鉄は9日、池上線を乗車無料にする。同社によると、首都圏の鉄道会社で特定の路線全線を1日無料にする試みは初めてという。池上線の活性化プロジェクトの一環で、あまり知られていなかった沿線の名所をPRし、訪れる人や住む人を増やすのが狙いだ。

 池上線は、品川区と大田区にまたがる全長10・9キロの路線で、1928年に全線開通した。沿線には、目黒川の桜並木や戸越銀座商店街、池上本門寺などの有名なスポットから、町工場や緑豊かな住宅地がある。

 だが、東急電鉄が路線の認知度調査をしたところ、東横線が75・7%、田園都市線は74%だったのに対して、池上線は54・3%にとどまった。そこで同社は池上線のブランド力を上げるため、「生活名所 池上線」と名付け、沿線の見どころを紹介する冊子を作成。縁の無かった人にも乗ってもらおうと、無料で乗り放題の日を設けた。

このプロジェクトは、品川、大田の両区や地元の関係団体も支える。9月6日の記者会見で、品川区の浜野健区長は「東急電鉄と大田区と力を合わせて観光資源を全国に発信していきたい」。大田区の松原忠義区長は「池上線は住んでよし、訪れてよしを体感できる。このプロジェクトを通じて街の活性化を図りたい」と語った。

 イベントなどの詳細は専用サイトで
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