10/4(水) 12:08配信
毎日新聞

 北海道中央バス(本社・北海道小樽市)は4日、都市間高速バスの男性運転手(54)が乗務前のアルコール検査で同僚に身代わりになってもらい、そのまま乗務する不正行為をしていたと発表した。

 同社によると運転手は6月30日、釧路市内の宿泊所で乗務前のアルコール検査を実施したところ、呼気1リットル中0.061ミリのアルコールが検知されたため、16分後の再検査で同僚に身代わりを依頼、「検知なし」として検査を通過した。

 検査は通常、カメラ付きタブレットとアルコール検知器、データ送信用の携帯電話を組み合わせて実施。宿泊所で運転手が検知器に息を吹きかける様子を動画でタブレットから送ると共に、検知器によるデータも携帯電話で別途送信し、会社で担当者が確認する。

 しかし運転手は同僚に、タブレットの死角になる場所で検知器に息を吹き込ませ、結果を会社に送って検査をクリアしていた。運転手は通常の手順を装って検知器に息を吹き込む動画だけを会社に送信していた。

 検知器は故障に備えるため予備機が用意されており、運転手自身がそれを使ったという。運転手はその日、釧路市から札幌市までバスを運行。内部告発で不正が発覚した。

 男性運転手は勤続21年5カ月のベテランで、前日の午後10時まで缶ビール2缶と焼酎を飲んでいたという。同社は運転手の処分を検討しており、「心よりおわび申し上げる。再発防止に徹底的に取り組み、信頼回復に努める」とコメントを出した。【日下部元美】

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