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2015年3月、兵庫県尼崎市内で自転車に乗っていた高校1年山内美輝さん
=当時(16)=が、オートバイで並走していた少年(19)に押され、踏切内で
電車と衝突して亡くなった事件で、美輝さんの両親が加害少年とその母親に対し、
慰謝料など約7600万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁尼崎支部に
起こすことが4日、分かった。

父常也さん(55)と母千恵子さん(55)=尼崎市=が4日午後、同支部宛てに
訴状を郵送した。両親は「少年に反省は見られず、非行を見過ごした家族も
普通に生活を送っており、息子の死をどう考えているのか。少年に多くの人の悲しみを
認識してもらい、一生かけて償ってほしい」と訴えている。

訴状によると、美輝さんと少年は中学時代の同級生で、他の仲間3人と踏切の先の
公園に向かっていた。付近の防犯カメラ映像などによると、オートバイに乗る少年は
踏切の約92メートル手前から、美輝さんの自転車のサドル軸を足で押し、時速49キロ
前後で走行。踏切の手前約67メートルで押すのをやめたが、美輝さんは止まりきれず
遮断機の下りた踏切内に入り、電車と衝突した。

少年は15年12月に逮捕され、傷害致死罪で起訴。昨年12月、神戸地裁で懲役4年以上
6年以下の不定期刑の判決が言い渡され、今年5月に控訴が棄却されたため刑が確定している。

事件後、千恵子さんは何度も少年やその家族に謝罪するよう申し入れたが、一度も頭を
下げられたことはなかったという。少年は法廷で「起きたことは仕方がない」などと発言したといい、
少年が反省しないまま社会に復帰することに危機感を覚えたとしている。

両親によると、美輝さんは人懐っこく、小学5年からサッカーに打ち込んでいた。
千恵子さんは「3人きょうだいの末っ子で、帰ってくると家の空気が一気に明るくなった。
刑事裁判は終わったが、悲しい気持ちは当時と変わらない」と話している。