東日本大震災の被災地を支援するチャリティーイベント「大船渡サンマまつり」が7日、大阪市中央区の南御堂境内で開かれる。今回で7回目だが、今年のサンマ漁は記録的な不漁。同まつりにサンマを提供している大船渡水産物商業協同組合(水商協、岩手県大船渡市)でも例年の4分の1程度の水揚げとなっている。それでも「これまで支援してくれた大阪の人たちに恩返しをしたい」と、今年収穫されたサンマ2000匹を送ることになった。

 記録的な不漁を受けて、各地のサンマまつりでは中止や延期が相次いでいる。先月17日に行われた東京・目黒区の「目黒のサンマまつり」では宮城県気仙沼市の実行委員会が新サンマの提供をあきらめ、昨年水揚げされた冷凍サンマを使用。大船渡市でも同日に予定していた「三陸大船渡さんままつり」が今月に延期された。

 大船渡港には先月20日にようやく今年2度目の水揚げがあったため、23日の「東京タワーさんままつり」に使用する3333匹を確保できたが、26日時点での水揚げ量は約795トンと昨年同時期の25・3%にとどまる。

 そんな中、大阪のサンマまつりへは、「一番大変なときにお世話になった。何としてでも確保する」(水商協の佐々木英一理事長)として、新サンマを用意した。

 大阪の「大船渡サンマまつり」は、震災からの復興を応援するために平成23年に始まった。商店主や地域の寺社を中心とした地域活性化イベント「船場まつり」の主催者の中に、大船渡市内の大学出身者や同市に信徒の多い宗派の寺院など、同市にゆかりのある人が少なくなかったことから、関係者有志によって組織された。

 サンマを振る舞う代わりに義援金を募る仕組みで、昨年までに計1万匹以上を提供。協力する上方お好み焼たこ焼協同組合(理事長=宮原寿夫ぼてじゅうコーポレーション社長)のまつり会場での売り上げと合わせ、水商協や大船渡市の小学校、復興NPO法人などに計280万円以上を寄付してきた。

 同まつり実行委員会では「被災地支援として始めた催しだが、不漁で苦しい時にも大阪にサンマを送る、という心意気はありがたい。必ず“完食”して、お返ししたい」と話している。

記録的な不漁となった大船渡港(岩手県大船渡市)のサンマの初水揚げ=8月24日
http://www.sankei.com/images/news/171005/wst1710050006-p1.jpg
http://www.sankei.com/images/news/171005/wst1710050006-p2.jpg

配信2017.10.5 10:00更新
産経WEST
http://www.sankei.com/west/news/171005/wst1710050006-n1.html