富士市教育委員会は5日、来年1月に実施する成人式で、さまざまな理由から出席したくてもできない新成人に配慮し、通常と別日程の式典を開くことを明らかにした。対象は障害者や性的少数者(LGBT)、いじめの経験者など。同市教委によると、県内で同様の取り組みは聞いたことがなく、全国的にも珍しいという。

別日程開催は、障害のある新成人の保護者から「参加したいが、長時間座ることができない」と相談を受けたのがきっかけ。市教委社会教育課で調査したところ、市内の県立富士特別支援学校の卒業生で成人式に出席したのは、昨年は24人のうち4人、今年は25人のうち2人と極めて少ないことが分かった。

対応を検討する過程で、スーツや晴れ着姿での参加に違和感を持つLGBTや、同級生と会いたくないいじめ経験者らへの配慮も必要と判断した。

来年は1月7日に同市のロゼシアターで実施する通常の成人式とは別に、同14日に市教育プラザで別日程開催する。式典は長時間参加が困難な障害者のため、20分程度のコンパクトな内容に抑える予定。同課は「全ての新成人に祝意を伝えたいと計画した。一人でも多く参加してもらえれば」としている。

配信2017/10/6 09:48
静岡新聞 アットエス
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