http://miyakoshinpo.com/news.cgi?no=17978&;continue=on
 県農林水産部森林資源研究センターは、 デイゴに被害を与えるデイゴヒメコバチの天敵防除の生物農薬登録に向け、
今月中旬〜下旬に下地島で野外放飼試験を実施する。
デイゴヒメコバチの幼虫をエサとする 「デイゴカタビロコバチ」 の放飼は県内でも初めて。
10日、 下地敏彦市長に野外放飼への協力を求めた。
デイゴカタビロコバチは外来種となるが、 沖縄在来種への影響は極めて少ないという。

 デイゴカタビロコバチは米国ハワイでデイゴを守るためアフリカのタンザニアから導入され、 天敵防除で実用化に成功している。
同センターの室内試験ではデイゴヒメコバチを50〜60% (最大80%) 減少させ苗木にも葉が残った。
今回の試験では放飼前後のデイゴヒメコバチの虫コブ内密度、 天敵の移動分布、 デイゴ以外の植物への環境影響などを調査。
データを収集して生物農薬の登録を目指していく。

 在来種への影響に関しては、 農業技術研究所や環境省が提示する天敵導入ガイドラインに沿って
防除効果や環境影響調査を行った結果、 デイゴカタビロコバチは在来種との交雑や寄生は行わず、
影響は極めて少ないことが分かったという。

 デイゴヒメコバチに産卵されたデイゴは葉が変形して虫コブとなり、 幼虫の成長とともに葉が落ち衰退枯死してしまう。
これまで防除には薬剤の樹幹注入が行われてきたが、 経費がかかり一部のデイゴしか防除できず、
ミツバチ大量死が指摘される薬剤成分が含まれることなどから、 薬剤に代わる防除技術の開発が求められていた。