おととし、兵庫県警の機動隊に所属していた男性巡査2人が相次いで自殺した問題で、このうち1人の遺族が「上司のパワハラが自殺の原因だった」などとして、県に対して損害賠償を求める訴えを起こしました。

 兵庫県警の機動隊の巡査だった木戸大地さん(当時24)は、おととし10月、機動隊の寮で首をつって自殺を図り搬送先の病院で死亡しました。訴状によりますと、木戸さんは当時、上司から暴言や体罰を受け宴会では裸踊りなどを強要されていて、その後うつ病を発症したということです。木戸さんの両親は「息子が自殺したのは理不尽なパワハラが原因」として、兵庫県に対して約8000万円の損害賠償を求め、19日広島地裁に提訴しました。

 「(黒塗りされた資料を示して)こんなんですよ、情報開示いうのが。これで遺族、納得できますか。馬鹿にするのもほどがある。なぜ遺族たち、私たちに真実を教えてくれない」(木戸大地さんの父 木戸一仁さん)

 木戸さんが自殺を図った8日前には、同僚で唯一の友人だった山本翔さん(当時23)も寮の中で自殺していて、当時いじめをうかがわせる遺書を残していました。

 「これ以上機動隊での勤務はたえられない。先輩の嫌がらせや上司からのウソつき呼ばわりには精神的に限界です」(遺書より)

 兵庫県警は問題を受けて内部調査を行いましたが、調査の結果「パワハラやいじめと言えるまでの言動はなかった」とし、遺書に名指しされた同僚らの処分は行っていません。

配信10/19 19:30
MBSニュース
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