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10月22日 1時19分

今回の台風では、広い範囲で雨や風が強まり大荒れとなる見込みで、特に東海や関東などでは記録的な大雨となるおそれがあります。東海や関東などの都市部では、道路が舗装されて雨水がしみ込みにくいため、大雨で排水が追いつかなくなり浸水被害が出るおそれがあります。

特にアンダーパスなどの低い場所や、地下鉄の駅や地下街などは警戒が必要です。東海や関東の都市部では、建物が多い上に、道路も舗装されて雨水がしみ込みにくく、1時間に50ミリ程度以上の雨が降ると、排水が追いつかなくなるおそれがあります。

低地・アンダーパスに注意

排水が追いつかないと、周囲より低い土地や狭い道路には水が集まりやすくなり、川のような急な流れができて足元をすくわれる危険があります。

専門家によりますと、浸水は、雨水が道路の側溝やマンホールなどからあふれる場合には1分間に2センチほど、川があふれた場合には1分間に3センチほど深くなるということで、わずか30分程度で歩くことが困難な深さ50センチを超えるということです。

とくに線路や道路などの下を通る「アンダーパス」は、大雨で冠水しやすく、気付かずに車が入り込み乗っていた人が死亡する事故もたびたび起きています。

車が水につかった場合、浸水の深さが10センチから30センチでブレーキ性能が低下するほか、30センチから50センチでエンジンが停止、50センチ以上は車が浮いて閉じ込められ流される危険があるとされています。

雨や風が強まった場合は、不要不急の外出は避け、どうしても移動が必要な場合でも、見通しが悪い場合は、無理をせず安全な場所に車を止めて雨雲が過ぎ去るのを待ってください。

地下から早めの避難を

建物の地下や地下街でも警戒が必要です。
地下にいると、地上の状況がわからないため、雨が強まっていることや、浸水が始まっていることに気付きにくく、避難が遅れるおそれがあります。

浸水が始まると、地下に流れ込む水が勢いを増し流れに逆らって階段を使って地上に出るのが難しくなる上、停電が発生してエレベータが使えなくなることもあります。
また地下室などのドアは、外側に深さ30センチ程度の水がたまっただけで、水圧でドアを開けるのが難しくなります。

平成11年には福岡市のJR博多駅周辺が冠水して、地下街や地下鉄に階段から大量の水が流れ込み、地下街にいた1人が死亡したほか、東京 新宿区では、住宅の地下室が冠水し、中にいた1人が死亡しています。

地下鉄の駅や地下街などにいる場合は最新の気象情報に注意し、大雨による浸水が予想される場合は早めに地上に上がるようにしてください。

マンホールへの転落にも注意

排水が追いつかなくなると、下水管に流れ込む雨水の水圧でマンホールのふたがずれたり、外れたりすることがあるほか、側溝を流れる水が勢いを増します。
過去には、冠水した道路でマンホールのふたが外れていることに気付かずに転落して死亡したケースもあります。

周囲が冠水している場合は、むやみに移動しないのが重要で、どうしても移動が必要な場合も、必ず2人以上で行動し、傘や棒などで足元を確認しながら慎重に進む必要があります。

都市の小河川も警戒を

都市部を流れる川は幅が狭く、川底などがコンクリートに覆われていることが多いため、短時間で急激に水位が上昇します。

平成20年7月には神戸市内を流れる都賀川で、川の水位が10分間におよそ1メートル30センチ、急激に上昇し、遊びに来ていた小学生や保育園児など5人が流されて死亡しました。
また1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が数時間降り続くと、氾濫の危険性が高まります。

川の周辺で降っていなくても、上流で大雨になった場合は水位が急に上がる場合もあり、小さな川のそばにいる際は最新の気象情報に注意し、大雨が予想される場合には川から離れてください。
また上流のほうで雷が鳴ったりした場合なども注意してください。