http://www.bbc.com/japanese/41731255

イラクのハイダル・アバディ首相は23日、同国を訪問したレックス・ティラーソン米国務長官と会談し、イランの支援を受ける民兵組織の解散を求める同長官に反論し、民兵たちは「イラクと地域の希望」だと語った。

イランが後押しするイスラム教シーア派民兵組織は、過激派組織のいわゆる「イスラム国」(IS)を掃討するため動員された。ティラーソン国務長官は会談に先立ち、イラク国内でISとの戦いが終わりつつある以上、民兵組織は解散すべきだと述べていた。

シーア派民兵は先週、主要油田のある北部キルクークからクルド人勢力を退却させるイラク軍の軍事行動に参加した。
23日遅くにイラクの首都バクダッドで行われた会談の前日、アバディ首相とティラーソン長官はサウジアラビアでも会談。ティラーソン長官は会談終了後に記者団に対し、ISとの戦いが「終わりに近づきつつある」なかイランが支援する民兵らは「家に帰るべきだ」と述べた。

しかし、イラク首相府の発表文によると、アバディ首相はバグダッドの会談で、民兵はイラク人であってイランの代理人ではないとし、「国と地域の希望になるのだから奨励されるべきだ」と語った。
発表文は、民兵たちが「自分たちの国を守り、イスラム国を負かすため自分たちを犠牲にした」と述べた。

これに先立ち、ティラーソン長官はアフガニスタンでアシュラフ・ガニ大統領やアブドラ・アブドラ行政長官と会談し、同国内の戦争終結に向けた米国の新たな計画を協議した。
米政府は今年8月、反政府勢力タリバンの掃討に向け兵士約4000人の増派を決めている。
ティラーソン長官は、反政府勢力の中には穏健派がいるとみられ、彼らを和平プロセスに参加させたいと米国は考えていると述べた。

ティラーソン長官は、24日にパキスタンを訪問し、アフガニスタン国内のタリバンや他の過激派組織の掃討に向けた対応の要請について協議する予定だと明らかにした。
ティラーソン長官がアフガニスタンを訪問するのは、就任後初めて。先月にはジェームズ・マティス米国防長官が同国を訪問している。

(英語記事 Iraq rebuffs Tillerson call to disband Iran-backed militias)

2017/10/24