http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-41735009

マリーアン・ラッソン芸術担当記者、BBCニュース/グリーシャム・ターン・ビデオ・プロデューサー

あるアーティストが8年前、奇抜な日本のストリート・ファッションを発明し、以来、インターネット上で世界中からカルト的なファンを集めている。

minoriさん(26)は、白い粉を使った白塗りメイクと年代物の衣装を組み合わせて新しいスタイルを作り出した。

自分の体をキャンバスとして使っており、minoriさんは実質的に「生きる芸術作品」だ。そしてその芸術は主に写真で表現される。
minoriさんの創造的な表現は、このトレンドを取り入れようとする若い女性たちに刺激を与えている。

白塗りの女性

minoriさんは都内で暮らしている。白い化粧のおかげで身元が分からないので、minoriさんが誰であるかを知るのは友達と家族しかいない。つまり衣装を着ていない時は、詮索好きの目から離れてプライベートな生活を送れるのだ。

minoriさんは10代の頃、渋谷区原宿に足繁く通うたくさんの若い女の子の1人に過ぎなかった。原宿は、奇抜で変わった、そしてたいていは斬新でもあるファッションを見に行ったり、見られたりしに行く場所だ。
かつてminoriさんは上品なゴスロリ・ファッションを楽しんでいたが、時がたつにつれ、このスタイルは自分に合わないと感じるようになった。

「自分の肌の色やメイクが服に合わないのにいつも違和感を抱いていた」とminoriさんはBBCに話す。
「顔を白く塗った時に、想像力を働かせて自分の顔を作り上げることができて、素晴らしい気分になった。これだ!と思った」

日本では、白塗りの化粧は中世の時代にさかのぼる長い伝統がある。

9〜11世紀の平安時代、貴族の男性は、その階級を示すために顔を白塗りにした。
この傾向はのちの17世紀、芸者が登場し始めた際に、女性にも取り入れられた。
その後、1926年から89年にかけての昭和の時代に、「白塗り」という用語が生まれた。

当時の超愛国主義に刺激され、人々は男女ともに学ランやセーラー服などの制服に身を包み、日の丸を手に持ち、芸者の化粧品を使って顔を白塗りにした。
(リンク先に続きあり)

(英語記事 Japan's 'living artwork' invents new fashion style)

minoriさんは、白塗りメイクが作り出すまっさらなキャンバスと自然からヒントを得ると言う
https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/16E3/production/_98395850_sakurav-by-minori.jpg
minoriさんは自分の衣装をゼロから自分でデザインし、作っている
https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/15C1E/production/_98381198_dsc_4912_cropped.jpg
海と砂と競演するminoriさん
https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/14FC5/production/_98375958_sand-by-minori.jpg