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【10月25日 時事通信社】国連安全保障理事会は24日午前(日本時間同日深夜)、シリアでの化学兵器使用疑惑を調べる国連と化学兵器禁止機関(OPCW)の合同調査チームの任期を1年間延長する米主導の決議案を採決したが、シリアのアサド政権の後ろ盾ロシアが拒否権を行使し、否決された。中国は棄権した。安保理は今後も任期延長に向け調整を続ける見通し。

 採決では11カ国が賛成、2カ国が反対、2カ国が棄権した。欧米主導のシリア決議案にロシアが拒否権を行使するのは9回目。

 合同調査チームの任期は11月中旬に切れる。同チームは、米軍によるシリア攻撃のきっかけとなった4月のシリア北西部イドリブ県での化学兵器使用疑惑についても調べており、今月26日までに最新の報告書を提出する予定。米国は報告書提出前の決議案採決を目指していた。

 ロシアは決議案採決に先立ち、報告書提出前の採決に異議を唱え、11月7日に会合を延期するよう提案。ロシアやボリビアなど4カ国が賛成、米国など8カ国が反対、3カ国が棄権し、ロシアの提案は否決された。

 ロシアのネベンジャ国連大使は決議案否決後の演説で、早期採決を主導した米国などに対し、「安保理の対立や分裂の道を選んだことは残念だ」と批判。ヘイリー米国連大使は否決後の声明で「ロシアは再びこれらの(化学)兵器を使用する独裁者やテロリスト側についた」と非難した。(c)時事通信社

2017年10月25日 1:21 発信地:ロシア