大阪府羽曳野市の府立懐風館高3年の女子生徒(18)が、生まれつき茶色っぽい髪を黒く染めるよう教諭らにしつこく強要され、不登校になったとして、府に約220万円の損害賠償を求めて提訴したことが分かった。大阪地裁(安井龍明裁判官)で27日、第1回口頭弁論が開かれ、府側は請求棄却を求めた。

 訴状などによると、生徒は髪の色素が薄く、入学時に母親が「地毛が茶色なので配慮してほしい」と要請したが、生徒指導や学年主任の教諭らは黒くするよう繰り返し強要。痛みやかぶれが生じるほど何度も髪を黒く染めたにもかかわらず「不十分」「学校をやめるか黒染めするか選べ」などと指導し続け、昨年9月から不登校になった。

 学校側は母親との面談で「たとえ金髪の外国人留学生でも規則なので黒く染めさせる」と説明。生徒側は生来の身体的特徴を否定し、健康被害を与えるほど異常な頻度で染めるよう強要する指導は「いじめに当たる」と主張している。

 原告側代理人の林慶行弁護士によると、本年度は生徒の名前が名簿に記載されず、教室には席もないという。「不登校については学校が謝罪すべきなのに、あまりにひどい対応だ」と批判した。

 府教育委員会は、校則や頭髪指導は各校の裁量に委ねられているとした上で、「訴訟については係争中なのでコメントできない」としている。

配信2017.10.27 11:09更新
産経WEST
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