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10月29日 4時02分

世界各地で深刻な問題となっている子どもに対する体罰をいかに防ぐかを考えるシンポジウムが28日、都内で開かれ、日本を含め各国で法整備を急ぐ必要性が訴えられました。
子どもの支援を行うNGO「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」が28日に都内で開いたシンポジウムには、およそ170人が参加しました。

子どもに対する親の体罰は、先進国を中心に深刻な問題として認識されるようになっており、いかに実態を把握し防いでいくかが課題となっています。

シンポジウムでは、これまでに北欧などを中心に53か国で体罰を全面的に禁止する法律が整備されたことや、南アフリカの最高裁判所が親がしつけで子どもに暴力を振るうことを認めない判決を言い渡したことなどが紹介されました。

一方でNGOがことし7月に国内で行った意識調査の結果が報告され、体罰をすべきでないと答えた人はおよそ4割にとどまり、7割の親はしつけの一環として子どもをたたいたことがあると回答したということです。

日本では、昨年度に全国の児童相談所が対応した虐待の件数が過去最多の12万件余りに上り、体罰も多様化して防止するのが難しくなっていると言われています。

国連の子どもの権利委員会で委員を務める大谷美紀子弁護士は「社会ではこれまで体罰を容認する考えが広く受け継がれてきた。体罰を無くすには、国がまず法律で禁止する必要がある」と述べ、法整備を急ぐ必要性を訴えました。