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10月31日 6時00分

観光客が落ち込んでいるエジプトで、観光の立て直しについて話し合うシンポジウムが開かれ、エジプトの考古相は、日本の支援で来年開館する「大エジプト博物館」など新たな魅力をアピールし、観光客を呼び戻したいと述べました。

エジプトでは、民衆のデモをきっかけに独裁的な政権が崩壊した2011年以降、治安の不安定な状態が続き、去年1年間の観光客数は540万人と、かつての3分の1近くまで落ち込んでいます。

首都カイロでは30日、日本大使館などの主催で観光の立て直しについて話しあうシンポジウムが開かれました。この中で、古代遺跡などを管轄するエジプトのアナニ考古相は、今月、日本との直行便が4年ぶりに再開したことを紹介したうえで、日本の支援で建設され、来年開館する大エジプト博物館など新たな魅力をアピールし、観光客を呼び戻したいと述べました。

また、アメリカの大学で観光学を教える原忠之准教授は「観光地どうしの競争が激しくなっているため、観光資源があるだけでは来てもらえない」として、観光客を飽きさせない工夫が必要だと指摘しました。

参加した観光業者からは、治安状況など観光に不利な情報もしっかり発信していくことが、長期的には信頼につながるといった声も聞かれました。日本語ガイドを30年務めているというエジプト人の男性は「今がいちばん厳しい時期ですが、観光客が戻ってくるよう頑張りたい」と話していました。

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