NHK ネットとの融合強化 次期経営計画案
毎日新聞2017年11月1日 06時40分(最終更新 11月1日 06時40分)
https://mainichi.jp/articles/20171101/k00/00m/040/173000c

 NHKの2018〜20年度の次期経営計画案の概要が31日、判明した。放送に加え、インターネットも活用した「公共メディアへの進化」を最重点方針に掲げ、放送と通信の融合時代にも「第一級のコンテンツ創造集団」であり続けるため、関連団体も含めたNHKグループで業務や組織の統廃合を進めるとした。NHK記者の佐戸未和さんが13年に過労死した問題などを踏まえ、「働き方改革」の推進も盛り込んだ。

 放送と同時にネットで視聴できる番組のネット同時配信は「積極的に実施」と明記。19年度の開始を目指す常時同時配信を巡っては、「将来的に本来業務としたい」としたNHK幹部の発言に民放側が反発し、執行部が「放送の補完」と火消しした経緯がある。最終案の表現によっては再び反発を招きそうだ。
 次期経営計画は年内に執行部が案をまとめ、年明けの経営委員会で議決する見通し。公共メディアへの進化を見据え策定された指針「NHKビジョン2015→2020」の「第2ステップ」と位置付け、タイトルを「大切なことを、より深く、より身近に〜公共メディアのある暮らし〜」とした。五つの重点方針には、視聴者理解の推進や受信料の公平負担徹底▽グループ一体で効率と創造を追求▽情報発信などによる地域貢献−−などを挙げ、これらを通じ、20年の東京五輪・パラリンピックで「最高水準の放送・サービス」を提供するとした。
 18年末に実用放送を開始する超高精細映像4K・8Kについても、20年から連続テレビ小説を4Kでも放送するなどして、普及に努める。また、ネットなどで広がる「フェイク(偽)ニュース」を念頭に、正確な情報を伝える役割の重要性を強調した。【犬飼直幸、屋代尚則】