[東京 2日 ロイター] - スズキ(7269.T)の鈴木俊宏社長は2日の中間決算会見で、トヨタ自動車(7203.T)、マツダ(7261.T)、デンソー(6902.T)が設立した電気自動車(EV)の基盤技術を開発する新会社への参画を前向きに検討する意向を明らかにした。

新会社の中心となるトヨタは設立当初から他社の参画も呼びかけており、SUBARU(スバル)(7270.T)などがすでに参画に前向きな姿勢を示している。EVの基盤技術の早期開発に向けてグループ一体で取り組むことになりそうだ。

鈴木社長は、トヨタと提携内容の具体化についてまだ議論中だが、新会社への参画については「話があれば、前向きに検討させていただきたい」と述べた。

EVの競争では「『チーム・ジャパン』としてやっていけるようなことを考えていかないと欧州勢、米国勢、中国勢などと対抗していくには難しい部分もある」とし、「電池の共通化などを含め、協調し合える部分は協調しながら、競争する部分は競争するということでやっていきたい」と語った。

<インドは好調だが、「非常に不安」>

スズキは同日、インドでの販売好調などを受け、2018年3月期の連結業績予想を上方修正。今期営業利益は従来から600億円増となる3000億円に引き上げ、3年連続で過去最高の見通し。

17年4―9月期のインドでの四輪販売は前期比17%増の82万6000台と過去最高を更新。通期の販売見通しを従来の8%増から10%増に引き上げた。

インド市場について、鈴木社長は「好調の一言に尽きる」と指摘する一方、EV化の波が強まる中で「非常に不安」とも話した。同社にとってインドは「あまりにもボリュームが大きい」ことから、「(EV化が)一気に進むと足元をすくわれるのではと非常に心配」と語り、業績は好調だが、「喜んでいられるような状態ではない」と警戒感を示した。

*内容を追加しました。 白木真紀 編集:吉瀬邦彦

配信2017年11月2日
ロイター
https://jp.reuters.com/article/suzuki-earnings-results-idJPKBN1D20RZ