0001影のたけし軍団 ★
2017/11/03(金) 12:43:58.23ID:CAP_USER9景気は良いが、経済が悪い。今の日本経済を一言でいえば、こうなる。完全雇用状態で株価も上昇。
好転する世界経済にアベノミクスによる金融、財政刺激が加わっている。
しかし、この「景気の良さ」は「経済の悪さ」をもたらし、将来不安をかきたてている。
皮肉なことにアベノミクスの「成功」こそが「経済の悪さ」の要因だ。
異次元の超金融緩和と機動的な財政運営の組み合わせによるリフレ政策がデフレ脱却への第一歩になったのは確かだ。
だが、日銀の国債大量購入という「財政ファイナンス」は財政規律を緩め、日本を先進国最悪の財政赤字国にしてしまった。
短期目標である基礎的財政収支の黒字化はいつまでたっても達成できず、2度も先送りされた消費税増税は、
実現しても財政赤字削減にはあまり寄与しそうにない。教育国債など歳出拡大要求は後を絶たない。
日銀が財政赤字を下支えするのは不健全で、米連邦準備理事会(FRB)に続き、欧州中央銀行(ECB)も金融緩和からの出口戦略を進めているのに、
独り日銀だけが出口の議論さえ封印しているのは、成熟国家の中央銀行としてあまりに異常である。
無作為が続けば、出口に向けての金利上昇リスクが累積する。「見えざる円安誘導」とのそしりも免れないだろう。
金融、財政政策の「成功」の陰で起動しないのが成長戦略だ。むしろ日本の強み「ものづくり」は劣化している。
主要企業がまともに品質検査もできないようでは、産業競争力にも響きかねない。
AI(人工知能)、自動車のEV(電動)化、新エネルギーなど未来産業分野で日本企業が先頭集団にいないのは、成長戦略の失敗を物語る。
日本経済に活力が乏しいのは日本が開放社会になりきっていないからだろう。
日本人だけが対象とみられる「1億総活躍社会」構想は「日本第一主義」というしかない。外資や外国人材にもっと開放することだ。
安倍晋三首相は企業に「3%の賃上げ」を求める。単なる賃上げ要請ならともかく、目標を明示した要求は「国家資本主義」そのものである。
企業経営者がなぜ沈黙するのか不可解だ。
アベノミクスの落とし穴をそれこそ謙虚に見つめ直し、日本の将来のために経済政策の正常化に立ち上がるときである。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23064150S7A101C1920M00/