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11月4日 7時59分

オーストラリアは劣悪な環境にあると批判されてきた離島にある難民収容施設の改善に乗り出しましたが、現地では依然として難民申請者が飲料水や電気のない暮らしを強いられていて、国連はオーストラリア政府に人道的な対応をとるよう、強く求めました。

オーストラリア政府は、隣国のパプアニューギニアの離島に設けた施設に、難民認定を求めて不法に入国しようとした人たちおよそ600人を収容していましたが、劣悪な環境であるうえ人々の自由な行動が制限されていると批判されてきたことから、先月この施設を閉鎖し、島内のほかの施設を利用するなど改善を進めてきました。

しかし、施設に収容されている人々は、地元の住民から差別されることをおそれているうえ、多くはオーストラリア本土への移送を希望していることから、いまもほとんどの人が元の施設にとどまっています。

施設ではすでに水や食糧、電力の供給も打ち切られていて、人々は井戸を掘ったり雨水を飲んだりしていて、衛生状態が一層悪化することが懸念されています。

こうした事態について、UNHCR=国連難民高等弁務官事務所は3日の記者会見で、ほとんどの難民申請の手続きが進んでいないと指摘したうえで、「難民認定を求める人たちをオーストラリア本土に移して適切に対応すべきだ」と述べ、オーストラリア政府に人道的に取り組むよう求めました。