学習院大法科大学院の青井未帆(みほ)教授(憲法学)は四日、東京都千代田区の弁護士会館で開かれた日弁連の憲法施行七十年記念イベントで講演し「法律の要で、重みのあった憲法が『ケンポー』と軽くなっていないか。誰かがではなく、私たちが(国家や政治家に)守らせるということが問われている時代だ」と語った。

 青井教授は、集団的自衛権行使を容認した憲法解釈変更を批判。安倍晋三首相が示した憲法九条への自衛隊明記について、大改正を控えた「後戻りできない地点」を確保するための「加憲」と指摘し、「自衛隊を『書き込むだけ』に終わらない。『平和、大事だよね』と言っていたのが『そんなこと言ったって仕方ない』という声が大きくなってしまうかもしれない」との懸念を示した。

 日弁連の中本和洋会長は冒頭のあいさつで、九条改正を巡る論議に関し「積極的に承認する立場、反対する立場双方から検討している。法律家団体として、国民に判断資料を提供したい」と述べた。

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