http://yomiuri.co.jp/national/20171108-OYT1T50131.html
 足腰の弱い人にも大山へ参拝してもらおうと、歩行支援ロボットの導入を検討している神奈川県伊勢原市は、県や信州大学などと共同で、土産店が密集するこま参道を中心に実証実験を行った。

 使用したのは、同大が介護・リハビリ用に開発したロボット「クララ3」で、左右の股関節、膝関節の4か所にモーターを装着するタイプ。背負うバッテリーとコントローラーを含めて5・5キロあり、2時間充電で2時間稼働できる。

 この日は開発した橋本稔教授(64)が「研究室の実験では、未装着に比べ心拍数が20〜30%減少した」と説明。地元の男性(74)と女性(69)が装着して歩き、ともに「初めは踏み出しにずれを感じたが、慣れるとぐんと楽になった」と感想を述べた。

 すでに4キロ台に軽量化したクララ4が完成済みで、さらに安全性と耐久性を向上させたクララ5を、2019年に商品化したい考えだ。橋本教授によると、これまでの歩行支援ロボットは14〜20キロ、価格は700万〜1000万円が中心といい、「できるだけ構造をシンプルにして価格を抑えたい」と語る。

 市はクララ5の活用を検討中で、参拝サポートロボットの導入は全国でも珍しいという。大町徹・市商工観光課長は「たくさんの人に来てもらえるように、ぜひ活用を目指したい」と話している。

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