「これ以上ずさんな管理体制が続けば、いずれ大事故につながるのではないかと危惧しています。会社には、より安全意識を高め、設備と人に投資をしてほしい。意を決して、内部の状態をお伝えしようと思います」

 こう話すのは、「つくばエクスプレス」に勤務するAさんだ。

 秋葉原駅と茨城県のつくば駅の間を最速45分で結ぶ、つくばエクスプレス。年間輸送人員は約1億3000万人、開業から12年が経った今、首都圏交通網のかなめの一つを担う、重要な路線だ。

 「安全と高速」を売りにしているこの路線だが、内部からは「経営の健全化はもちろん大切だが、その一方で安全が軽視されているのではないか」という懸念の声が聞こえてくるのだ。いったいなにが起こっているのか。
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■危険なトラブルが多発

 まず、Aさんが指摘するのは、ここ最近の事故の増加についてだ。

 「2016年以降、車両のドアに乗客の手や物が挟まれたまま列車が出発するといった、危険なトラブルが増えています」

 そういって、Aさんはこの一年で起きた事故やトラブルについて教えてくれた。

・2016年8月には40代の社員が、条例で禁止された薬物を所持した疑いで逮捕。
・駅構内や高架橋の壁などが落下する事案が、2016年以降現在まで4件。
・2017年にはオーバーランが2件(乗務員の取り扱いミスによるもの)。
・エレベータで30分間、利用客が閉じ込められる事態が2件発生。(1月浅草駅、7月六町駅)
・盗撮犯を見つけた旅客が車内非常通報装置で乗務員に知らせたにもかかわらず、伝達ミスで十分な連携がとれず逃走される。(2016年6月流山セントラルパーク駅)

 さらにAさんはこう続ける。

 「乗客の安全に関わるトラブルは、実際には多数起きています。しかし、会社はごく一部しか公表していないのです」

 つくばエクスプレスでは、ホームページ上の「ニュースリリース」や「TXからのお知らせ」で、事故やトラブルに関する報告を掲載しているが、数日で削除されるという。現時点で確認できる挟み込みのトラブルは、2016年8月に南流山駅で発生した、杖が挟まれたまま走行した件の1件しかない。しかし、挟み込みのトラブルは、Aさんが知るだけでも2016年に少なくとも10件以上は起きているという。

 その詳細はこうだ。

 2016年9月、北千住駅でバスケットボールなどが入った巾着袋の紐がドアに挟まれ、袋がドアの外に出たままの状態で列車が走行。通過駅で袋はホームドアに激突し、袋がちぎれホーム下にボール等が散乱した。

 流山おおたかの森駅では、2017年2月に母親に抱かれた幼児(1歳3ヶ月の女児)がドアに手を挟まれたまま列車が発車したほか、2016年7月には乗客が車両とホームの間に挟まれる転落事故もあった。八潮駅では、乗客の傘を挟んだまま走行し、傘が折れ曲がってしまった。バッグや傘などを挟んだまま走行するトラブルは、頻繁に発生しているという。

 不思議なのは、ドアに体や物が挟まれているのに、列車がそのまま発車することだ。通常ならその場でドアを開けるなどして、そのまま走行することは考えられないように思える。

 しかし、Aさんは、挟み込み事故が起きてそのまま列車が走行してしまうのには、複数の理由があると説明する。

■設備が古い?

 「ひとつは、つくばエクスプレスの設備が05年の開業当時からほとんど更新されていないため、他社に比べて設備が古いことが挙げられます。不都合があってもお金がかかるという理由で、改修をせず、そのままにされることが多い。

 例えば東京メトロなどでは、ホームドアに三次元センサーを採用し、挟み込みが起きると機械がそれを感知して、異常を知ることができます。ところが、つくばエクスプレスのホームドアのセンサーは、40センチと90センチの高さところに、横に2本通っているだけの旧式のものです。体や物を挟み込んでも感知しないケースが多いのです。

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■驚くべき人員体制
■労働基準監督署が指導
■利益重視?
■いつ大事故が起きてもおかしくない

配信11/8(水) 17:00
現代ビジネス
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