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11月10日 5時07分

TPP=環太平洋パートナーシップ協定の参加11か国は、日本時間の9日夜からベトナムのダナンで開いた閣僚会合で、アメリカの離脱を受けて実施を先送りする「凍結」項目の選定で折り合い、アメリカを除いて協定を発効させることで大筋合意しました。日本政府は、早期発効に向けて国内手続きを急ぐことにしています。

TPP協定に参加する11か国は、協定の発効を目指し、APEC=アジア太平洋経済協力会議が開かれているベトナム中部のダナンで、9日、断続的に閣僚会合を開きました。

この中で、ベトナムとともに共同議長を務める茂木経済再生担当大臣は、アメリカの離脱を受けて実施を先送りする「凍結」項目をめぐり、各国の要望を踏まえた議長案を示しました。そして、日本時間の9日夜から開かれた閣僚会合で、各国が凍結項目の選定で折り合い、アメリカを除く11か国で協定を発効させることで大筋合意しました。

11か国は、10日開催する首脳会合で、正式に確認することにしています。

TPP協定は、アメリカや日本が国内手続きを終えることが発効の要件になっていたため、ことし1月、アメリカが、トランプ政権の発足に伴って離脱したことを受け、発効のめどが立たなくなっていました。

このため、残る11か国はアメリカの将来的な復帰を視野に入れて、11か国だけで早期の発効を目指す方針を掲げ協議を続けてきました。日本政府は、協定の早期発効に向けて国内手続きを急ぐことにしています。

経済再生相「バランス取れた合意」

閣僚会合の後、共同議長を務めた茂木経済再生担当大臣は記者団に対し、「大筋合意を達成することができた。あす首脳に報告し、確認を取って内容を公表する。自由貿易の高い水準を維持しつつ、バランスのとれた合意になったと考えている」と述べました。

そのうえで、茂木大臣は「日本として議論を主導してきた成果であり、今後の日本の成長戦略にとっても大きな成果だ。TPP11がなければ将来のTPP12はない。アメリカの立場もあるが、これからも、アメリカが復帰することの意義を粘り強くしっかりと説明していきたい」と述べました。

また、茂木大臣は、ベトナムに到着した安倍総理大臣に結果を報告したことを明らかにし、「総理は、『よくまとめてくれた。大きな一歩を踏み出すことができた』と話していた」と述べました。