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11月10日 19時21分

中国の習近平国家主席はAPEC=アジア太平洋経済協力会議が開かれているベトナムで演説し、アメリカのトランプ政権が保護主義的な主張を続ける中、「われわれは多国間の貿易体制を支持する」と述べて、多国間の自由貿易の推進に主導的な役割を果たすと強調しました。

中国の習近平国家主席は、APECの首脳会議に出席するため訪れているベトナム中部のダナンで10日、APECに加盟する国や地域の財界人などを前に演説しました。
この中で習主席は「われわれは多国間の貿易体制を支持し、開放的な地域主義を堅持して発展途上国が国際貿易や投資で多くの利益を得ることを支援する」と述べました。

またアメリカのトランプ政権の保護主義的な主張などを念頭に「現在経済のグローバル化が逆風に遭っている」としたうえで「中国は各国とともに一帯一路の建設を進めていき、共同発展の新しい原動力を増やしていく」とし、中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」などを通じて多国間の自由貿易の推進に主導的な役割を果たすと強調しました。

さらに、アメリカが「パリ協定」からの脱退を表明する中、習主席は「中国は積極的に気候変動に対応し、人類が共存できる共同の空間を保護していく」と述べ、環境分野でも積極的に責任を果たす方針を示しました。

そのうえで「中国は積極的にグローバルの統治体系の改革と建設に関わり、国際的な政治・経済秩序作りを推し進める」と述べ、国際社会で中国が主導権を握りたいという意欲もにじませました。