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11月11日 5時33分

ドイツで開かれている地球温暖化対策の国連の会議「COP23」で、温暖化の原因となる温室効果ガスの削減目標をめぐって、途上国と先進国の間で対立が起きていることがわかりました。これまで交渉をけん引してきたアメリカが協定からの脱退を表明し、存在感が薄れていることなどが背景にあると見られ、今後、交渉をどれだけ先に進められるかが焦点となりそうです。

ドイツのボンで開かれている「COP23」では、2020年以降の温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の具体的なルール作りの交渉が進められています。

この中で、インドや中国の交渉団が「先進国は、これまで何が達成され、何が実現できないかを公にすべきだ」と述べるなど、パリ協定ができる前に、先進国が掲げた2020年までの温室効果ガスの削減目標が、どの程度達成できているのかをまず検証すべきだという意見が出ています。

一方、先進国側はEUの交渉団が会見で「今回の本会議で議論をする時間はない」と述べるなど、検証は必要ないという姿勢を示し、途上国との間で対立が起きていることがわかりました。

専門家などは、トランプ政権が協定からの脱退を表明するなど、これまで国際交渉をけん引してきたアメリカの存在感が薄れていることなどが背景にあるという見方を示していて、今後、交渉をどれだけ先に進められるかが焦点となりそうです。

日本交渉団「途上国は議論を妨害」

「COP23」で、先進国の温室効果ガスの削減目標をまず検証すべきだと発展途上国側が主張していることについて、日本の交渉団の代表は、「途上国はこれまでの議論を再び持ち出し、『パリ協定』のルール作りの議論を妨害している」と述べ、途上国の姿勢を強く非難しました。

「COP23」で、発展途上国側が「パリ協定」ができる前に、先進国が掲げた2020年までの温室効果ガスの削減目標がどの程度達成できているのかを、まず検証すべきだと主張していることについて、日本交渉団の塚田玉樹首席交渉官はNHKの取材に対し、「これまでも検証していてナンセンスだ」と述べ、今回の本会議で改めて検証する必要はないという認識を示しました。

そのうえで、「パリ協定の実施に向けた議論を進めなければいけない今回の会議で、途上国は、これまでの議論を再び持ち出し、ルール作りの議論を妨害している」と述べ、途上国の姿勢を強く非難しました。