日本と外国の二重国籍の人が、日本の国籍を選ぶ「国籍選択」の2016年度の届け出数は15年度から500件以上増え、初めて3千件を超えたことが11日、法務省への取材で分かった。

 増加数は過去5年間で最も多い。法務省は理由を分析していないが、16年は政治家の二重国籍問題が注目を集めた。同省は問題を機に、ホームページなどで国籍選択手続きの周知を進めており、「問題もあって制度が広く認知されたからではないか」としている。

 国籍法は、複数の国籍を持った時点で20歳未満の場合は22歳になるまでに、20歳以上の場合はそこから2年以内に、一つの国籍を選ばなければならないと規定している。罰則はない。

 日本国籍を選ぶには(1)日本国籍を選択した上で外国籍を離脱する努力をする(2)外国籍の喪失届を出す――のいずれかの手続きが必要となる。

 法務省によると、06年度の国籍選択届け出数は1570件。その後はおおむね増加傾向で、16年度は3368件で2倍以上となった。外国籍喪失届も06年度は21件だったが、16年度は150件となった。

 二重国籍を巡っては16年、蓮舫・元民進党代表に台湾籍が残っていたことが発覚したほか、自民党の小野田紀美参院議員も米国籍との二重状態が判明した。〔共同〕

配信2017/11/11 9:41
日経ソース
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23380050R11C17A1CR0000/