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11月16日 16時11分東京五輪・パラ

2020年東京オリンピック・パラリンピックの柔道などの競技会場となっている東京・千代田区の日本武道館で、大会に向けて行われている増設工事に伴う発掘調査で複数の文化財が見つかり、日本武道館は本格的な調査を始めています。

日本武道館は、江戸城があった「北の丸公園」内にあり、3年後の東京大会では柔道と空手の競技会場となっています。

日本武道館は、これまでの施設では手狭だとして「中道場」と呼ばれる施設を建設する計画を進めていて、ことし5月、文化財保護法に基づいて、敷地内の地面を掘る試掘調査を行いました。

その結果、江戸時代に徳川将軍家の親族として特別な待遇を受けていた「御三卿」の1つ、清水家の礎石と見られる石が数個、明治時代に天皇の護衛などを担う陸軍の「近衛歩兵連隊」の建物に使われたと見られるレンガが見つかりました。

日本武道館はこうした埋蔵物が重要な文化財の可能性があるとして、今月から本格的な調査を始め、これまでに瓦や食器などが見つかっています。

「北の丸公園」内で本格的な発掘調査を行った例はほとんどないということで、調査の指導に当たる千代田区文化財係の小杉由希子職員は「今回の調査は御三卿の武家屋敷や明治初期のレンガを使った西洋建築の実態解明につながる」と期待を寄せています。

日本武道館は、今回の発掘調査で施設の工事の期間に影響は出ないとしていて、日本武道館の三藤芳生理事事務局長は「3年後の大会には間に合うよう準備を進めているので安心してほしい。歴史や伝統を大切にしたすばらしい建物にしたい」と話しています。

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