流れ星を人工的に降らせてしまえ!? 世界初、日本のベンチャー企業が挑戦
11/18(土) 11:14配信
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しし座流星群で現れたひときわ明るい流れ星「大火球」=平成10年11月18日、埼玉県大滝村(草下健夫撮影)(写真:産経新聞)

 夜空に一瞬、現れる流れ星。見えている間に願い事をするとかなうともいわれるが、いつどこに現れるか正確に予測できない。
ところが、そんな流れ星を予定した日時と場所に人工的に降らせてしまおう、という何とも奇想天外な計画がある。日本のベンチャー企業が仕掛けるもので、再来年に広島で世界で初めて挑む。

 流れ星の正体は、宇宙にある1ミリ〜数センチほどの流星物質と呼ばれるちり。これが地球の大気に飛び込み、高温になって気化した成分が光を放つ。
流星物質の多くは、彗星(すいせい)が通り道にばらまいていったもの。太陽の周りを公転する地球がそこを通りかかると、多数の流れ星が生じる「流星群」が現れる。

 多数といっても、流星群の流れ星はピーク時でさえ1時間に数個のことも、ざらにある。出現する時期は毎年決まっているが、願い事をしたいなら、夜空をずっと見上げる根気強さが求められるのだ。

 このハードルを一気に下げる「人工流れ星」を計画しているのが、都内のベンチャー企業「ALE」(エール)。
直径1センチの流星物質を人工衛星から放出し、自然の流れ星と同様に光らせることで、地上の直径約200キロの範囲で観察できる。
しかも、自然の流れ星よりはるかに長い5〜10秒程度にわたり見えるという。「21世紀型の花火大会」といった趣になるのだろうか。

 一辺60センチほどの箱形の超小型衛星に300〜400個の流星物質を詰め込み、国産小型ロケット「イプシロン」または海外のロケットで来年末にも打ち上げる。
高度約500キロを周回し、オーストラリア上空で流星物質を放出。15分後に日本の上空約60キロに到達して発光する。東北大や首都大学東京、神奈川工科大、日本大の研究者が衛星開発などに協力している。