2017.11.22 12:00

 助教から「村八分」にされたとするアカデミック・ハラスメントで学生が自殺、10月にもキャンパス内で学生2人が飛び降りて死亡するなどの事件が続く山形大学で今度は、最先端研究施設で、センター長を務める著名な大学教授によるパワーハラスメントで、退職者が相次ぐ事態が発覚した。東北を代表する最高学府の山形大学で、何が起きているのか−。

 雪深い山形県飯豊町。真っ白な平野を車を走らせると、ピカピカの研究施設が見えてきた。ここにリチウムイオン電池の最先端の研究施設「山形大学xEV飯豊研究センター」はある。

 山形大と地元・飯豊町が、民間工場だった建物を改修し、同センターを開所したのは平成28年1月。自動車、ロボット関連企業など約50社が研究開発に加わり、新しいリチウムイオン電池開発のために企業研究者が集う。研究施設の駐車場には、米シリコンバレーを拠点にするEVメーカー「テスラ」の電気自動車もあった。

 山形大、飯豊町、山形銀行の3者は「飯豊電池バレー構想」を策定。次世代ロボットや産業用機械に適したリチウムイオン電池と材料開発、組み立て、性能評価、安全性試験までを手がける日本を代表する最先端研究拠点づくりを目指している。

 ここで起きたのが、有期雇用の20代の男性技術支援職員に対するセンター長によるパワハラ事件。山形大職員組合がパワハラを示す証拠写真を提出し、それまで事件の存在を否定していた山形大の小山清人学長は「驚いた。こんな状況とは」と、遅ればせながら、キャンパス・ハラスメント特別対策委員会を14日に立ち上げた。ただ、特別委の報告書は公開しない方針という。

 「このハゲ〜っ!」発言を彷彿(ほうふつ)

 昨年9月ごろ、男性技術支援職員の机上に、「役立たず」「ボケが!」などと書かれた書き置きが残されていた。非難された男性技術支援職員は、この書き置きを写真に残した。相談を受けた山形大職員組合が入手した4枚の写真には、こんなことが書かれている。

 「マジックくらい買っとけ!! 《役立たず》」

 「誰が選んだこのコピー ボケが!! 遅くて使えん」

 「ここに貼るな!!」

 職員組合が行った男性技術支援職員からの聞き取りによれば、いずれも大学教授の筆跡とみられるという。

 今年2月8日には、こんなこともあった。同センターを訪れた顧客企業の関係者の前で、この大学教授は、男性技術支援職員を「偏差値40」「偏差値40」と連呼し、何度も罵倒したというのだ。

 元衆院議員の豊田真由子氏の秘書に対する「このハゲ〜っ!」発言を彷彿させる。

>>2以降に続きます

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