中小企業の事業を引き継いだあと業績が悪化して、廃業する場合でも相続税などを納めなければならないことが後継者の不安になっています。このため政府は、来年度の税制改正で、今後10年間、本来支払うべき税額の一部を免除するなど、新たな優遇措置を設ける方向で与党との調整に入りました。
優遇措置は「事業承継税制」と呼ばれ、中小企業の経営者の若返りを促すため、一定の要件を満たした場合に、相続税や贈与税の課税を一部猶予する仕組みです。

経営者が高齢化する一方、後継者のめどがたたない中小企業が多いことから、政府は、10年間の特例として、税制上の優遇措置を拡充する方針です。

具体的には、事業を承継した段階で、本来支払わなければならない相続税や贈与税の納税を全額猶予し、ゼロにする方向です。

また今の仕組みでは猶予を受けるためには、5年間は8割の雇用を維持しなければなりませんが、この要件も事実上撤廃します。

事業を引き継いだあと業績の悪化などでやむなく廃業する場合、猶予されていた相続税や贈与税を納める必要がありますが、これを一部免除する措置も設ける方針です。

相続税や贈与税は、本来は会社を継いだ時点の事業の価値を基に計算しますが、新たな措置では、事業をやめた時点の株式などの価値で税額を計算して差額を免除する方針です。

政府は、今後与党との間で調整を進め、来年度の税制改正に盛り込むことにしています。

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