http://www.asahi.com/articles/ASKCQ5D6YKCQUHBI039.html
 インドネシアの軍や警察が女性職員の採用時に「処女検査」を実施していることが分かったとして、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は22日、「残酷で差別的」な慣行の即時中止を求めた。

 HRWによると、警察や軍は「精神状態や倫理観を調べるための心理テストだ」「妊娠していないか確認している」などと説明しており、検査は数十年続いているという。検査結果は採用に影響ないとされるものの、調査に応じたすべての受験女性が「つらく、恥ずかしく、トラウマになる」と答えたという。

 処女検査については、世界保健機関(WHO)が2014年に「科学的に有効ではない」との指針を発表しているが、インドネシアではその後も続けられたことになる。HRWは、国連が定めた25日の「女性に対する暴力撤廃の国際デー」を前に人権保護の義務を果たすべきだと、同国政府に訴えている。(ジャカルタ=古谷祐伸)