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 埼玉県内の高校で唯一、家政科学科がある県立鴻巣女子高校の女子生徒と地元の和菓子店「もみじや」(鴻巣市)が新感覚の和菓子を共同開発した。県教育委員会の「次代を担う産業人材イノベーション事業」の取り組で、女子生徒の目線で考案したレシピを商品化した。23日に同市で行われる「こうのす菓子まつり」で販売される。

 同事業の一環として、鴻巣女子高校は家政科学科の1、2年生の約80人を対象に「アイデア和洋菓子コンテスト」を実施した。女子生徒が夏休みにアイデアを考案し、9月1日に提出。同校の教員やもみじや店主の菊池紀行さん(42)が選考し、10月に4作品に絞り込んだ。

 コンテストで1位を獲得したのは、猫や熊の顔を型抜きして大福の上にのせた「まるっとアニマル」。考案した1年の菱田有花さん(16)は「おいしいだけでなく、インスタ映えを意識した」と話す。

 2位は、2年の山口汐里さん(17)が考えた「ハッピーようかん」。ようかんにカラフルな色を付け、メロン、フランボワーズ味の新感覚のようかんとなっている。

 3位はパティシエを目指している1年の加藤優佳さん(16)。あんことバナナとシナモンを融合させた「シナモン風味のバナナあんぱん」。加藤さんは「和と洋を組み合わせ、狙い通りの味ができた」と自信満々だ。

 今回のまつりで販売は見送られたが、画期的な作品として評価されたのが「新感覚カレー大福」。まだ開発途中のため、菓子まつりでは試食品として、白あんとカレー味のおまんじゅうを出品する。

 菊池さんは今回の共同開発について「自分には和菓子にバナナを入れ、ようかんをカラフルにする感覚はなかった。自分では全く思いもつかない新感覚のアイデア商品が生まれた」と感想を話した。女子生徒の感覚が分からず、どこまで表現できるか自信がなかったというが、同校の後藤恵里教諭は「生徒が考案したアイデアの特色をうまく引き出してくれた」と満足げだ。

 鴻巣市産業観光館「ひなの里」で行われるこうのす菓子まつりは午前11時から午後3時まで。正午から女子生徒も店頭に立ってコラボ商品を販売する。同まつりは同市内の和洋菓子店が集まり、100円で菓子を食べられるワンコインマルシェや実演販売なども行うという。

 もみじやでは店頭販売の状況を見た上で、自社商品としての発売も検討したいとしている。

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