名古屋モーターショーが23日、ポートメッセなごや(名古屋市)で開幕する。東京モーターショーの終了後、最初の地方ショーで国内外の42ブランドが出展する。電気自動車(EV)の米テスラなど、海外勢で東京ショーを見送ったブランドの出展が相次ぐ。大半が市販車だが、自動車関連産業が根付き、消費意欲も堅調な名古屋地区の市場性を反映した。

報道陣に公開された名古屋モーターショーの会場(22日、名古屋市港区)
https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXMZO2380866022112017L91001-3.jpg?w=680&;h=478&auto=format%2Ccompress&ch=Width%2CDPR&q=100&fit=crop&crop=faces%2Cedges&ixlib=js-1.1.1&s=7b8676b98201f0119dabf02aed5df69b

■10社超す「東京ショー見送り組」が出展

22日は報道向けに会場が公開された。地方ショーは大阪や福岡などでも開催予定だが、名古屋の出展ブランド数は最多。名古屋モーターショー運営事務局によると、テスラや独BMWの小型車「ミニ」など、二輪を含む海外の輸入車ブランド10社超が東京出展を見送り、名古屋を選んだ。「名古屋エリアの市場性の高さに着目したブランドが多い。愛知県輸入自動車販売店協会の後押しも大きかった」(運営事務局)という。

テスラは多目的スポーツ車(SUV)の「モデルX」とセダンの「モデルS」を展示する。名古屋出展は2回目。同社は6月に名古屋市に店舗を開設。「同店は想定を上回る販売が続く。ショー出展で名古屋地区の消費者にEVの機能を伝える活動をする」(同社日本法人)という。同社は世界的にショー出展を絞り込んでいるが「必要性が高いエリアには出していく」(同)方針だ。

ミニは同ブランド初のプラグインハイブリッド車(PHV)のコンパクトSUVなどを出展した。このほか会場では「マクラーレン」「マセラティ」など高級ブランドが目立つ。

部品大手も名古屋に注目する。タイヤの米グッドイヤーは初めて名古屋ショーにお目見え。タイヤメーカー唯一の出展だ。「自動車産業が集積する名古屋地区で顧客との接点を増やす」(同社)狙いだ。次世代車に対応する球状のタイヤなどを出す。車体の向きを変えずに横に動け、狭い道でも移動しやすいという。

■国内勢はEV前面に

国内勢は東京ショーで初公開したコンセプトカーを中心に展示する。トヨタ自動車はコンセプトEV「コンセプト愛i」を前面に出す。4人、2人、1人乗りの3種類で運転手の感情や嗜好を読み取る人工知能(AI)を搭載し、心理状態を推定して支援が必要だと判断すれば自動運転モードに切り替わる。

ホンダやダイハツ工業なども軒並みEVに力を入れている。マツダは次世代ガソリンエンジンを搭載したコンセプト車を目玉にする。

名古屋ショーは東京ショーと同じく2年に一度の開催。運営事務局は26日までの期間中、20万人前後と前回を上回る来場者数を目指す。

配信2017年11月22日 21:20
日本経済新聞
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO2380806022112017L91000