2017年11月24日13時06分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017112400107
 沖縄県うるま市で2016年4月、女性会社員=当時(20)=を殺害したとして殺人罪などに問われた、元米海兵隊員で軍属だったケネフ・シンザト被告(33)の裁判員裁判の論告求刑公判が24日、那覇地裁(柴田寿宏裁判長)であり、検察側は無期懲役を求刑した。弁護側は強姦(ごうかん)致死と死体遺棄の罪を認める一方、殺人罪は否認しており、殺意の有無が争点となっている。判決は12月1日。

 検察側は論告で、被害者の首を複数回刺したなどとする逮捕後の被告の供述は具体的で、信用できると主張。ナイフなどを事前に準備した計画的犯行とした上で、「死亡する危険性が高い行為を繰り返した」と指摘し、殺意が認められるとした。被害者参加した遺族の代理人弁護士は、被告に死刑を求めた。

 弁護側は「被害者が倒れ込んだ際、頭を強打して死亡した可能性は排除できない」と述べた。

 シンザト被告は初公判で「殺すつもりはなかった」と話した後、黙秘していた。この日の最終意見陳述では「私は本来、悪い人間ではない。こんなことになったのは意図したことではなかった」と述べた。

 起訴状によると、シンザト被告は16年4月28日午後10時ごろ、うるま市の路上で女性を乱暴しようと考え、頭を棒で殴り首付近を刃物で複数回刺して殺害し、遺体を同県恩納村の雑木林に遺棄したとされる。