【ワシントン高本耕太】トランプ米大統領は29日、中西部ミズーリ州での演説の中で、弾道ミサイルの発射実験をした北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を「哀れなやつ」と非難し、最近は封印していた金氏への中傷を再開した。また同日、自らのツイッターに「北朝鮮に大規模な追加制裁を科す」と投稿し、「この事態に対処する」とも主張。北朝鮮に「最大限の圧力」をかける方針を改めて強調した。

 演説は税制改革に関するもので、トランプ氏は支持者を前に「減税は米国経済にとってロケット燃料になる」と述べたところで台本を離れ、金委員長を「リトル・ロケットマン」とこき下ろした。その後、「哀れなやつ」とも発言。トランプ氏は今月3〜14日のアジア歴訪中、金氏に対する個人的中傷や批判は自制していた。

 一方、サンダース大統領報道官は29日、FOXニュースに出演し、「北朝鮮に最大限の圧力をかけ続ける方針に変更はなく、追加制裁はその一環だ」と述べた。シャー副報道官も記者団に「中国、ロシアを含めた他国との連携により制裁の効果が出ている」と強調し、「可能な限りの圧力をさらに加えることになる」と語った。

 またティラーソン国務長官は29日、国務省で記者団に「新たな追加制裁項目の対象は多岐にわたり、金融機関が含まれる」と明らかにしたうえで、「準備ができ次第、財務省が発表することになるだろう」と述べた。

 米政府は今月20日に北朝鮮をテロ支援国家に再指定したことを受け、翌21日、北朝鮮と取引を続ける中国の実業家や北朝鮮籍船舶などを対処にした制裁措置を発表している。

配信2017年11月30日 10時35分(最終更新 11月30日 10時44分)
毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20171130/k00/00e/030/229000c