https://www.cnn.co.jp/m/tech/35111270.html

(CNN) 人工知能(AI)を使って道路の状況を判断し、人通りが多い時間帯は拡大して大勢の歩行者を横断させ、人通りが少なくなると消滅する――。そんな横断歩道を英ハイテク企業のアンブレリウムが開発し、英ロンドン市内で実験を行った。

横断しながらスマートフォンを見ている歩行者がいれば、路上に警告表示を出して、本人と周辺の車両に危険を告げる。

この双方向横断歩道、「スターリング・クロッシング」は、周囲の環境に動的に反応できる。「今の横断歩道は数十年も前にデザインされたもの。都市の使われ方は大きく様変わりしたのに、横断歩道はそうした更新が行われていない」。アンブレリウムの創業者はそう説明する。

横断歩道は1940年代のイングランドで、歩行者に道路を安全に横断してもらう目的で考案された。

スターリング・クロッシングは、当時から親しまれてきた「シマウマ」模様はそのまま残し、耐水性のLED照明を幅7.5メートル、全長23メートルの範囲で道路に埋め込んで、必要に応じてレイアウトや大きさや色を変えられるようにした。

道路の両側に設置された2台のカメラは、道路の状況を写した写真を毎秒約25枚撮影。横断歩道の情報処理システムでその写真を解析し、歩行者と自転車と車を識別する。

その情報に基づいて、例えば高齢者がいる場合は時間をかけて横断できるよう、横断歩道の点灯時間を延長する。

双方向横断歩道は、時間の経過とともに歩行者の行動を学習することを想定している。「歩行者がいつも間違った場所で横断している場合は、横断歩道をその場所の近くに移動させて、安全性を高める」という。

ロンドン南部では10月の1カ月間、スターリング・クロッシングが実験的に敷設された。同社経営者によれば、利用者には好評だったという。同社はこの横断歩道を、世界各国の都市に普及させたい考え。

2017.12.01 Fri posted at 11:24 JST

双方向横断歩道、「スターリング・クロッシング」は、周囲の環境に動的に反応できる
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双方向横断歩道は、時間の経過とともに歩行者の行動を学習することを想定しているという
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