名古屋市が10月から定期運航を始めた水上バス「クルーズ名古屋」で、車いす利用者らが乗りにくい船が使われている。船は国のバリアフリー基準を満たしておらず、市は車いすを持ち上げて乗り降りに対応しようと考えていた。しかし、障害者らの抗議を受けて見直しを迫られている。(保坂知晃)

 「車いす利用者を排除するのか」「事前に障害者の意見を聞いてほしい」

 10月7日、名古屋駅南の「ささしまライブ24地区」で、車いす利用者らが市の担当者を取り囲んだ。この日、水上バス運航開始の記念式典があり、車いすのままでは乗れない船の導入に抗議した。

 導入された3隻は「車いす使用者が持ち上げられることなく乗降できる構造」などを求める国のバリアフリー基準を満たしていない。古い船に適用される経過措置を利用して運航が始まった。

 式典では車いす利用者の斎藤亮人(まこと)・名古屋市議が乗船を試みた。船着き場と船には大きな段差がある。そこにスロープを掛け、2、3人がかりで斎藤市議が乗った車いすを押し上げた。

 だが、船の入り口と車いすの幅… 残り:1304文字/全文:1746文字

運航記念式典の後、名古屋市の担当者に抗議する車いすの利用者たち=10月7日
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おんぶされて船を下りる斎藤亮人・名古屋市議
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運航記念式典の後、名古屋市の担当者(右から2人目)に抗議する車いす利用者ら
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配信 2017年12月4日09時29分
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