シャープの株式が7日、東京証券取引所第2部から同1部に市場変更された。1部復帰は約1年4カ月ぶり。取引開始直後に前日比20円高の3905円で復帰後最初の売買が成立した。経営危機からの本格復活に向け、また一歩前進した。

 シャープは今年6月に1部復帰を申請、11月末に東証から承認されていた。午前11時半すぎから東証で記者会見した戴正呉社長は「1部復帰の目標をようやく果たせた」と株主や関係者に謝意を示した。復帰の意義については「会社の信用や将来にとって重要で、人材の募集でも影響が全く違う」と説明した。

 シャープは主力の液晶パネル事業などの不振で2016年3月末に債務超過に転落、同8月に1部から2部に「降格」した。その後、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業グループの出資を受け、日本の電機大手で初めてアジア企業の傘下に入った。

 ほぼ同時に鴻海出身の戴氏が社長に就き、コスト削減や液晶パネルなどの販売拡大を主導、急ピッチで業績を改善させてきた。18年3月期の最終損益は4年ぶりに黒字転換する見込みだ。

 今後、シャープは超高精細の8K映像技術などを中長期の成長分野に据えて復活を期す。戴社長の口癖「有言実行」が一層求められることになる。

配信2017/12/7 9:22 (2017/12/7 12:59更新)
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24356770X01C17A2EAF000/