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12月11日 17時50分

56年前、三重県名張市で女性5人が殺害された「名張毒ぶどう酒事件」で、おととし死亡した奥西勝元死刑囚に代わって88歳の妹が求めていた再審=裁判のやり直しを認めないとした名古屋高等裁判所の決定に対し、弁護団は11日、異議を申し立てました。

昭和36年、三重県名張市でぶどう酒に農薬が入れられて女性5人が殺害された「名張毒ぶどう酒事件」では、奥西勝元死刑囚が1審で無罪となったあと死刑が確定し、再審を求め続けましたがおととし89歳で死亡しました。

これに伴い、妹の岡美代子さん(88)が本人に代わって10度目となる再審を名古屋高等裁判所に申し立てましたが、名古屋高裁は今月8日、「奥西元死刑囚の捜査段階の自白は信用できる。無罪を言い渡すべき明らかな証拠はない」として再審を認めない決定をしました。

弁護団はこの決定を不服として11日、名古屋高裁に異議を申し立てました。弁護団は「新たな証拠として提出した鑑定書などについて審理が尽くされておらず、決定には重大な事実誤認がある」と主張しています。

異議の申し立てを受けて、今後、名古屋高裁の別の裁判官が再審を認めるかどうか改めて判断することになります。